予防医療における看護師の役割

看護師の仕事は、患者の治療に関わることだけではありません。病気にならないように予防する「予防医療」は、一人一人の生活のあり方や知識が必要になるため、看護師はその予防に関わる大きな役割を果たす必要があるのです。
例えば、生活習慣病は食生活や運動習慣、喫煙や飲酒などの生活習慣が病気の発症や進行に大きく影響する疾患群といわれています。またこれらは、一昔前であれば成人病と呼ばれていましたが、若年層での発症も少なくなく、生活習慣の変化が影響されていると考えられるため、日頃の生活習慣の見直しや指導が重要視されるようになりました。

こういった生活習慣病の予防や早期発見には健康診断や保健指導が必須で、こういった検診を受けることにより自身の健康状態の把握や早期発見ができます。同様に、看護師はこれらのことに加え、健康指導と共に一人一人に合った適切なアドバイスをすることが重要になってきました。

体型、生活習慣、年代などはそれぞれ異なるため、個人個人が継続出来るように生活習慣の指導をすることは大切です。加えて、家族の病歴からも予防しなければならない疾患を読み取り、生活習慣に反映するような指導をすることはなかなか難しく、看護師としての力量が試されるかもしれません。

予防医療には3つの段階があります。1次医療と呼ばれる予防接種や適度な運動、生活習慣を改善し未然に病気を防ぐもの。2次医療と呼ばれる健診や検査などにより病気を早期発見することや治療に取り組むこと。また3次医療は病気になった後の適切な治療や病気の増悪防止、再発防止をはかることを言います。予防医療に関わる看護師は、これらを任される重要な役割を担うのです。